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COLUMN~コラム~

【~20年経っても美味しい!成人祝いに飲みたいワインとは~】
新年あけましておめでとうございます。井上ワイナリー広報担当の石関華子です。
旧年中は本コラムをご愛読頂きまして、誠にありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今度の週末は3連休、ハッピーマンデーは成人の日ですね。
晴れてこの日を迎えられる新成人の方々も、ご家族の方も、本当におめでとうございます!
ところで、ワイン好きな方なら、ご親族の方が成人されたお祝いに、その方の生まれ年のワインを一緒に飲みたい、と考えたことがあるのではないでしょうか?
そこで、今日のコラムでは、成人のお祝いにピッタリな貴腐ワインについてお話ししたいと思います。
成人した方の生まれ年のワイン、つまり20年前のワインということになりますが、それだけ長い年月が経つと、多くのワインはその飲み頃を逸してしまいます。
参考:【~ヴィンテージは古ければ古いほど価値があるのか?~】
このように、20年経っても美味しく飲めるワインというのは、ほんのひと握りというわけですね。
また、そのようなワインには複雑な味わいのものが多く、ワインを飲み慣れた大人にとっては極上の味でも、ワインデビューしたばかりの方にとっては、少々わかりづらいかもしれません…
ですが、貴腐ワインなら話は別。芳醇な香りと濃厚な甘さが特徴で、比較的飲みやすいのではないかと思います。しかも、20年という時が経っても、保存状態が良ければ、その風味が劣化することはありません。
貴腐ワインができるまでには、貴腐菌の働きと特殊な気候条件が不可欠です。
貴腐菌とは、ボトリティス・シネレアというカビの一種。通常はブドウの病気の原因となる菌なのですが、一定の気候条件のもとでは、ブドウの果実の水分を蒸発させるため、ブドウの糖度が干しブドウのように高くなるのです。
このような状態になったブドウのことを、貴腐ブドウと呼びます。
貴腐ワインが甘いのは、この貴腐ブドウから造られているからなのです。
なお、冒頭の写真は世界三大貴腐ワインの産地のひとつ、フランスのソーテルヌの貴腐ブドウと貴腐ワインです。
貴腐ブドウが育つ気候条件が揃っているのは、広い世界を探しても、ごく限られた地域のみ。さらに、天候によっては、貴腐ブドウが育たない年もあります。
そのため、貴腐ワインは非常に希少価値の高いワインなのです。
あらゆる偶然が重なり合って生まれる貴腐ワイン。
それは、人の命にも似ているような気がします。
そんな奇跡への感謝の気持ちを、1杯の貴腐ワインに込めることができたら素敵ですよね!
それでは今日はこのへんで。
また来週!