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【井上ワイナリー所縁の市町村紹介・梼原編(前編)】
【井上ワイナリー所縁の市町村紹介・梼原編(前編)】
広報担当の石関です。
今回は今年の春にブドウの苗を定植したばかりの高知県梼原町の畑とブドウについてご紹介します。
高知県の西北部、愛媛県との県境の四国山地の南斜面に広がる梼原町。清流・四万十川の源流が流れ、町の9割を森林が占める緑にあふれた町です。
そんな梼原町のブドウ畑は、梼原町役場の西の丘を少し上った場所にあります。水はけもよく、日当たりも風通しも抜群の場所です。町役場の標高が約400mであることから、畑の標高は450mほどと考えられ、当社のブドウ畑のなかでは最も標高の高い場所に位置する畑となります。
梼原町は高知県の平野部に比べて冷涼な気候で、冬に雪が積もることも珍しくありません。
また、その平均気温は日本ワインの主要産地である山梨県の甲府市と近く、新たなワイン産地としての期待がかかっています。
梼原町の畑では、降雨量の多い地域に向くとされる「棚栽培」という仕立て方で、赤ワイン用のマスカット・ベーリーAと、白ワイン用のシャルドネという2つの品種を栽培しています。
以下、それぞれの品種についての簡単な概要です。
①マスカット・ベーリーA
ブドウの交配育種に力を注ぎ、日本ワインの発展に大きく貢献した新潟県の川上善兵衛氏によって、1927年(昭和2年)に開発された品種です。日本ワインにおける赤ワイン用品種のなかでは最多の生産量を誇り、山梨県や長野県、山形県をはじめ、全国各地で栽培されています。
マスカット・ベーリーAのワインは、イチゴキャンディーのような甘い香りを持ち、渋みが穏やかでフルーティーな味わいになるのが特徴です。
②シャルドネ
「白ワインの女王」とも称される、白ワイン用ブドウ品種を代表する品種のひとつです。原産地はフランスのブルゴーニュ地方ですが、さまざまな環境に適応できるため、現在は世界中のあらゆる産地で栽培されています。
シャルドネは栽培される土地の気候風土や醸造方法の影響を受けやすいため、同じシャルドネのワインであっても、その特徴や個性は実にさまざまです。そのため、シャルドネはその土地の個性を反映しやすい品種とも言えます。
今回畑に訪れたときは、先の台風の影響で落葉してしまった後だったのですが、栽培担当者の方の話では、今年の初夏には花も咲き、夏には少量ながら実も付けたそうです。
まだスタートしたばかりの梼原でのワイン造り。今は試行錯誤の段階ではありますが、近い将来、多くの方に梼原産ワインとグルメのマリアージュを楽しんでいただき、梼原町の魅力に触れていただければ、と願っています。
次回の記事では、その梼原のグルメや町の魅力を詳しくご紹介します!
ぜひそちらもご覧ください。