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COLUMN~コラム~

ドイツのブドウ畑

【~収穫は命懸け!?ドイツのブドウの収穫事情とは~】

皆さん、こんばんは。井上ワイナリー広報担当の石関華子です。

前回までのコラムでは、フランスのブドウの収穫事情を前編と後編にわけてお伝えしてきました。

今回は、フランスのお隣、ドイツでのブドウの収穫についてのお話をしたいと思います。

 

ドイツのワインといえば、甘口のワインを連想される方も多いのではないでしょうか?

今から30年ほど前、ドイツの甘口のワインが日本で流行したことがあり、当時ワインを楽しんだ方の中には、「ドイツワインは甘口」というイメージをお持ちの方が大勢いらっしゃいます。

 

実際、ドイツではワインの格付けや品質を定める際、ブドウの「果汁の段階での糖度の高さ」が重要な判断基準になるのです。

そのため、品質の高いワインを造るためには、糖度の高いブドウを育てなくてはなりません。

 

では、ブドウの糖度を高めるためには、何が必要なのでしょうか?

収穫の時期を遅らせるなど、人為的に糖度を高めることも可能ではありますが、やはり自然界にあるもので大事なのは「日照」です。

とはいえ、ドイツはフランスよりも緯度の高い場所に位置し、基本的に冷涼な気候で、夏場を除いては日照量もそれほど多くありません。

そのため、ドイツではより多くの日照を得るため、斜度30度を超えるような川沿いの急斜面にブドウ畑が造られていることがあります。このような場所にブドウ畑があると、低い角度から差し込む日光も取り込むことができ、川の水面から反射する光も得られるからです。

 

しかし、斜度30度といったら、スキーやスノーボードの上級者コースにも匹敵する傾斜。

機械も入れないため、収穫含め、作業はすべて人の手でおこなわなくてはなりません。

では、そんな急斜面で作業や収穫するのは、危なくないのでしょうか?

二人一組になってロープで体を固定しながら作業をする、といった安全策なども講じられてはいるものの、毎年のように足を滑らせる事故が起きているようです。

 

一体なぜ、ドイツの人々は身を危険にさらしてまで、厳しい環境でワインを造り続けているのでしょうか。

ドイツには1800年にものぼるワイン造りの歴史があり、フランスやイタリアのようなブドウ栽培に適した環境ではなかったからこそ、並々ならない苦労があったことでしょう。

ドイツの人々が命懸けでブドウを収穫するのは、ワイン造りの伝統を大事にしたいという想いと、様々な試練を乗り越えてきたからこその誇りがあるからなのかもしれませんね。

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