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COLUMN~コラム~

アルザスの葡萄畑

【~歴史を紐解きながら味わいたいアルザスのワインとは~】

皆さん、こんばんは。井上ワイナリー広報担当の石関華子です。

フランスでは今月、世界最大の自転車レースである「ツール・ド・フランス」が開催されています。

コースは全部で3480.3km。その最初の難所となるのが、急勾配の続くヴォージュ山脈と言われています。

そこで、今日のコラムでは、そのヴォージュ山脈のふもとで造られている、アルザス地方のワインについてお話ししたいと思います。

 

フランス北東部に位置するアルザス地方。写真のように木組みのカラフルな建物が立ち並んだ街の風景が特徴的です。

フランスの中でも特に雨が少なく、安定した気候に恵まれており、リースリングやピノ・ブラン、シルヴァネールといった品種のブドウから、主に辛口の白ワインが生産されています。

その他にも、「クレマン・ダルザス」というシャンパーニュと同じ製法で造られるスパークリングワインや、「ヴァンタンジュ・タルディヴ」という収穫時期を遅らせて過熟状態となったブドウから造られる甘口ワインなど、特徴的なワインも造られています。

 

そんなアルザス地方は、ライン川を挟んでドイツと国境を接し、古くからライン川の水運を利用した農業や工業が栄えてきました。

また、鉄鉱石や石炭を豊富に産出する土地でもあったことから、アルザス地方の領有権は、第二次世界大戦の終戦後にフランスのものとなるまで、フランスとドイツの間で何度も争われてきたのです。

そして、戦争が起こるたびに街は戦火に焼かれ、ワインの造り手たちが丹精込めて育てていたブドウ畑もまた、幾度となく甚大な被害を受けてきました。

激しい動乱の中を生き抜いてきたアルザスの人々の苦労は、想像を絶するものがあるでしょう。そんな歴史的背景からの先入観かもしれませんが、彼らが手掛けるワインには、どこか凛とした、一本筋の通ったような強さが感じられるような気がします。

 

度重なる戦乱に翻弄されながらも、たくましく生きてきた人々の物語が詰まったアルザスのワイン。

その物語を紐解くようにアルザスのワインを味わってみると、わたしたちにも辛い状況でも前を向き、困難にも立ち向かっていこうという勇気が湧いてくるかもしれませんね。

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