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COLUMN~コラム~
【〜日本が新たな歴史を刻んだオーストラリアのワインの魅力とは〜】
皆さん、こんばんは。井上ワイナリー広報担当の石関華子です。
先日の全豪オープンでは、大坂なおみ選手が日本人初優勝という偉業を成し遂げましたね!
手に汗を握りながら試合の行方を見守った方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回のコラムでは、激闘が繰り広げられた地、オーストラリアのワインの魅力を探っていきたいと思います。
オーストラリアのワインの産地は、地中海性の気候に似た南部に集中しています。
その中でも最もブドウ栽培面積が広いのは、南オーストラリア州。
この地には、かつてドイツから宗教的な迫害を受けた人々が移り住みました。そして、彼らはそこでドイツを代表するブドウ品種であるリースリングを栽培し、ワイン造りを始めたのです。
この地では現在でもリースリングが栽培されていますが、その一方で南フランス原産のシラーズという品種も多く栽培されています。
冷涼な気候を好むリースリングと、温暖な気候を好むシラーズ。
南オーストラリア州は、このように真逆の性質を持つ品種が共存する、非常に珍しい産地なのです。
そして、リースリングからは豊かな酸を備えた白ワイン、シラーズからは濃厚で力強い味わいの赤ワインが生み出されています。
これを可能にしているのは、日中は焼けつくように暑く、夜間は凍えるように寒いという独特の気候。
人間には過酷な気候が、ワイン造りにはアドヴァンテージになっているのです。
また、全豪オープンの開催都市・メルボルン近郊のヤラ・ヴァレー(ヴィクトリア州)では、その涼しい気候を活かし、ピノ・ノワールやシャルドネといった品種のブドウから、フランスのブルゴーニュ・スタイルのワインが生み出されています。
それから、フランスのボルドー地方に似た気候の西オーストラリア州では、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロといった品種を主体としたボルドー・スタイルのワインが生産されています。
このように、あらゆる個性を持つワインが生み出されているオーストラリア。
この国のワインの最大の魅力は、簡単には語り尽くせないほどの多様性と奥深さにあるのかもしれません。
そして、品質が高い割に、価格が比較的リーズナブルな点も、私たち消費者には嬉しいところ。
そんなオーストラリアのワインには、奥ゆかしささえ感じられ、どことなく日本の『謙虚な女王』と重なるところがあるような気がしてなりません。
皆さんも、歴史的な勝利の余韻に浸りながら、オーストラリアのワインの魅力を味わってみるというのはいかがでしょうか?
それでは今日はこのへんで。
また来週!